このチャレンジについて
環境や身体に優しい Mokuhanga の普及継続を目指して!
この20年間、わが国で発達した水性木版画を学びに来る250名を超える海外の大学関係者やアーティストが、水性木版画を通じて日本の文化や社会に関心を深めてきました。

第1回国際木版画会議(2011年 京都・淡路)
当初、環境や身体に優しい技法として水性木版画に関心を寄せていた海外のアーティスト達は、その技術を習得する過程で、何時から、誰が、どのようにして材料や道具、技法を考案したのかなどの問いを持つようになり、このような問いかけが海外から私たちのところへ寄せられるようになりました。

Basic training Programの指導

研ぎのワークショップ

制作風景
日本の藝術形式によるアーティストブックへの展開
私たちはこの問いかけに対し、江戸時代末まで1200年間継続した日本の本づくりの歴史(書誌学)に学ぶことにしました。なぜなら、奈良時代に作られた百万塔陀羅尼に始まる和本づくりとともに木版画の技術が発達してきたからです。

折本
国際木版画ラボ(International Mokuhanga Innovation Laboratory=MI-LAB)では、巻子本、折本、綴じ本、屏風などの製作を通して、日本の芸術形式を学ぶプログラムの開発に取り組みました。

裏打ちのワークショップ

糊作り
今後このプログラムは、日本の伝統的な製本の形式を、アーティストが現代的に読み替えるアーティストブック制作に活かされます。
2019年度は「水性木版画高度ワークショップ(Mokuhanga Upper Advanced Program)」として実施し、2021年度から「日本の芸術形式によるアーティストブック プログラム(Artist Book Program Using Japanese Art Form)として取組む予定です。

和紙ショップ訪問
日本の本づくりの特徴を一言でいうと、循環型で継続性の高い材料や道具を用いることです。百年後の修復に備え剥がれやすい糊を用いる、解体し易いように糸綴じを用いる、和紙や水性の絵の具を用いるなど、現代の持続可能な開発目標(SDGs)にも繋がります。
また、文字と絵が同じ画面に構成される形式は、日本の文学の発展とともにあります。
環境や身体に優しい技法としての水性木版画を入口としてより深い日本文化に触れ、日本の芸術形式を読み替えたアーティストブックを世界中の多くのアーティスト達が作るようになることにより、道具や材料に対する需要も増え、活性化にも寄与すると考えます。

モスクワと東京を繋ぐ木版画
国際木版画ラボ(MI-LAB)について
国際木版画ラボは、富士山麓の河口湖畔沿いに、2012年、水性木版画の普及活動を目指し滞在型の制作研修スタジオを開所しました。
MI-LAB Reports Books
http://endeavor.or.jp/mi-lab/lab-archives/mi-lab_reports/
スタジオ制作プログラムに参加するアーティストたちは、水性木版画の技法や素材、表現を研鑽しながら、滞在生活を通して地元、 富士河口湖の伝統文化や、同宿のアーティストの異なる文化や価値観などの理解も深めます。
MI-LABのサイト
http://endeavor.or.jp/mi-lab/jp/about/
MI-LAB -Preparations- インストラクター・スタッフ木版画6人展
https://www.facebook.com/Mi-Lab-CFSHE-Gallery-179988715723647/
MI-LAB -Preparations-
インストラクター・スタッフ木版画6人展
2020年8月21日~10月18日
12:00~18:00(金・土・日)

アーティストトーク
(17:00~ インスタライブ @cfshe_gallery)
濱田路子(8/22,10/3) 瀧千尋(8/29、10/10) 塩川彩生(9/11,10/17) 古川朋弥(9/18,9/26) 金野雄大(9/4,10/9) 小林圭子(9/19,10/4)
資金用途
1997年から継続してきた水性木版画海外普及を目指したアーティスト・イン・レジデンス(AIR)事業は、これまで海外から250人以上のアーティスト、大学関係者を受け入れて来ましたが、新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受け、2020年度の事業がすべて2021年度に延期となりました。この難題の克服に当たり、これまで培ってきた指導方法や展覧会などの動画製作・配信に取組み、ポストコロナに向けた活動に資金を使います。