40年の歴史を持つ米国大学留学奨学制度を未来へ引き継ぎ、さらなる日米の架け橋に!

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40年の歴史を持つ米国大学留学奨学制度を未来へ引き継ぎ、さらなる日米の架け橋に!

「留学と就職」〜シリーズその(1):織田健嗣氏(2013年度奨学生)〜


写真:第38期小山八郎記念奨学生として留学中の織田健嗣氏(2013年)

「留学と就職活動について」

「留学をすると就職活動に支障が出るかもしれない」
そんなことを思っている方が多いのではないでしょうか?
実際、僕はそんな声や相談をよく聞きました。
留学に行ったことがない人ほど、行く前の人ほどそういうことを言います。

実際は、
「そんなことはない!!むしろ有利だし、長い目で見ても良い意思決定ができる」
というのが僕の意見です。

理由は三つで
1. ボストンキャリアフォーラムで事前に就活体験ができる
2. 留学経験というのは大抵大きなアピールポイントになる
3. 狭い選択肢でしか見られていなかったのが、大きな視野と多くの選択肢で考えられるようになる

一つずつ実体験をもとに説明します。


写真:イリノイ大学で開催されたジョブフェア(2013年)

1. ボストンキャリアフォーラムで事前に就活体験ができる

まず、ボストンキャリアフォーラム(以下ボスキャリ)とは何かですが、ボストンで毎年11月頃行われるバイリンガルのための就活イベントです。
大抵、就活は長期間にわたっていると思いますが、ボスキャリは三日とかで内定が出ます!笑 しかも一気に200社くらいの多種類の会社が集います。

僕は物理系の理系学生で、大学院進学が8割以上なので、大学院に行くのが当たり前だと思っていましたし、物理エンジニアになってメーカーで働くんだろうな。と思っていました。
正直当時は、将来の仕事のことをしっかりと考えておらず、漠然とそう思っていました。
友人たちが行くので、「なんとなく」でボスキャリに参加しました。(実際の就活はその後から一年後以上先だったので、焦りはありませんでした)


しかし、実際にメーカー数社の説明会や面接をやっていく過程で、「なんか違うなぁ」と思っていきました。そこで、僕は初めて社会というものを何となく知りはじめます。
どうせ、三日間来ているんだからと、様々な企業の説明会や面接に行ってみて、はじめて「この業界面白い!この会社の人達楽しそう!」とか思っていきました。

僕はこのボスキャリの経験が一つのターニングポイントとなって、日本でしっかり就活するときにIT企業を受けることのきっかけとなりました。
このボスキャリに行っていなかったら、僕はおそらく大学院になんとなく行って、なんとなくメーカー企業の面接を受けて入っていたかもしれません。
しかし、ここで、事前に多くの企業を知れたことで、自分の好みやリアルな就職先をイメージしていけることに気づきました。

もちろん、しっかり将来設計している人は僕みたいなことはないと思いますが、いずれにせよ。早い段階に就活を行えるのは、練習という意味でもよいのではないでしょうか。



2.留学体験というのは大きなアピールになる
当たり前ですが、まずは語学ができるというのをアピールできます。また、海外経験を積んだからこそのグローバルな感覚が身についているというのがあると思います。

また、そもそもなんで留学するの?という話につながりますが、
やはり、自分の未知の領域で、心地の良い環境から抜け出たときに得られるものは非常に多くあると思います。
行く大学にも依ると思いますし、向こうでどのようなことをするかに依りますが、基本的に日本ではまれで難しいような経験もしていくことが比較的簡単なのではないでしょうか。

例えば、「プロジェクトを発足する」というと日本だと、大がかりで大変で、人もなかなか集まりませんが、アメリカだと、プロジェクト形式の授業がたくさんあって、皆慣れているというので、
「自分さえ声を上げれば実現し、人を巻き込んでいくことが容易」といえます。

僕は、向こうでオンライン大学(いわゆるMOOCs)関連のプロジェクトを発足して、最終的にはハーバード大学のMOOCs関連の教授とのコラボにもつながったり、AR(Augmented Reality:拡張現実)関連会社の起業をしたり、と多くの希少な経験ができました。
今でも、これらのプロジェクトを一緒にやっていた友人とは、将来一緒に色々やっていこうぜ!とFacebookで連絡をとりあったり、日本に来たときに会ったりしています。

非常にラッキーだったのは、イリノイ大学が、世界的トップ10に入るくらいエンジニアで有名な学校で、特にコンピュータサイエンスに関してはトップ3に常に入る大学で、起業家・アントレプレナー教育も全米トップ3に入るようなところだったので、環境がものすごく恵まれていたというのもあったと思います。

上記のように、「なんかすごそうに聞こえる」(実際はそんなでもないですが笑)希少な経験を積みやすく、そのような経験は就活で圧倒的なアドバンテージになります。(実際僕の就活での大きなアピールポイントの一つは上記の経験でした)

3.大きな視野で見れるようになる
 こちらも、なぜ留学するのか。留学する意味は?につながりますが、やはり多くの視点が持てるようになると思います。

例えば、漠然と「海外で働きたい」という選択肢があったとしても、現実的でなかったりすると思います。
でも、プロジェクト形式でネイティブに囲まれて先述のようなことを行うと、なんとなく、自分がもし海外企業で働いたらどんな風になるか。がわかります。
また、周りのアメリカの学生はインターンや、就職活動のようなことをしているのでその情報を聞くことができ、海外企業のリアルが肌感覚としてわかるようになります。

更に、イリノイ大学では、大学に多くの企業が押し寄せて、そこでリクルーター達と話せる機会もありました。そこで、実際に行ってみて自分が果たしてどれくらい評価されそうなのか、実際に就活を海外でやったらどんな風になりそうなのか。ということが分かります。

あくまで、個人的な意見ですが、僕はこれらの経験を踏まえて、社会人経験が浅いうちはネイティブでない自分が海外企業でいきなり働くのはあまり有利でなく、得られるチャンスも少なそうだ。と判断したので、日本の企業で働こうと思いました。
ただし、エンジニアリングのスペシャリティがある人や日本人としてのアドバンテージを生かせる仕事なら、新卒で海外企業でもよいかもしれません。(現実問題として、さらにビザ取得のハードルは高いそうです)


ほかにも就活に限らず、そもそも全然違う働き方をしようとする人や、軍隊経験のある人、NPOなどで働く人、など多様な価値観に触れられるのが留学の醍醐味なのです。
日本の大学の中で、同じようなことしか考えていないような狭いコミュニティの中に依存してしまうと、たくさんの選択肢の幅があることに気づかず、大局的に見てよい選択ができていないということが起こりがちだと思います。(僕が、理系は当たり前に大学院に行ってエンジニアでメーカーに就職するのだと思っていたように)
こういった点から人生での選択肢の幅を増やせるようになると思います。


写真:イリノイ大学アーバナシャンペン校キャンパス(撮影:織田健嗣氏,2013年)

結論
このように、留学においてメリットはたくさんあると思います。時期がかぶってしまうというデメリットが発生する場合もありますが、事前に準備しておき、うまく調整すればそのようなことはありません。

例えば僕が、具体的に就活の準備を始めたのは、留学から帰ってきてからの8月頃です。ボスキャリのような経験から、IT企業に行きたいという気持ちが強くなっており、すでに行きたい企業の目星がいくつかありました。その中から、主にIT企業複数社のサマーインターンなどに行き、様子を見てみました。もちろんIT企業以外の説明会を受けたり、のぞいたりはしましたが、結局興味が持てたのはIT企業でした。
サマーインターンなどをやってみて、内定に直結する会社(外資系金融など)もありますが、そうでない会社が多いので、インターンで時間を拘束されるよりも社内の人に話を聞いたほうが良いと判断し、OBOG訪問などを通して各社内の雰囲気や情報収集をしました。その傍ら、自分が行いたいプロジェクトや、ITベンチャー企業での長期インターン、そして学校の勉強を行うことができました。
短期サマーインターンなどはいくつか行きましたが、実際にESを出して面接を受けたのはほんのわずかの企業でした。
上記の留学経験を通じてのアドバンテージや、日本に帰ってきてからも行ったプロジェクトなどをアピールし、最も行きたいところに就職できることもすぐに決まりました。


就活に関しては、留学は大きなアドバンテージで、メリットがデメリットを多く上回っていると思います。
そして、何より留学で快適な環境から飛び出し、挑戦することで得られることは、本当にかけがえのないものとなります。
「留学したら、就活不利かも~」とか思ってないで、まず挑戦してみましょう!Let’s do it!

・織田健嗣氏が奨学生として留学していた時の奨学生レポート→ http://www.illini-club.jp/hp/?cat=122
・1999年以降の奨学生レポート→ http://www.illini-club.jp/hp/
・小山八郎記念奨学制度を運営しているイリノイ大学日本同窓会のホームページ→ http://www.illini-club.jp/
・記事中で紹介されているボストンキャリアフォーラム → http://bostoncareerforum.org/aboutbcf



写真:キャンパス風景 -Green Street- (2015年10月 古市昌一氏撮影)


写真:キャンパス風景 - Illini Union- (2015年10月 古市昌一氏撮影)